2018年11月26日TBSテレビで放送した、「1番だけが知っている」でいわゆる「松橋事件」の
再審決定までの過程を扱っている番組を見た。
副題は - 北村弁護士も怒り心頭! 魂震えた大逆転裁判 - である。
再審決定の報道は2年前に大きく報道されていて目にしてはいたはずだが、気に留めていなかった。
だから、事件の中身は何も知らないでいた。
国選弁護人であるにもかかわらず、何の財産も持たない被告人の立場に立って、善意の正義感
にあふれる斉藤誠弁護士の行動は感動を呼んだ。
しかも費用は全部弁護人個人の負担なのであった。
あの著名な北村弁護士でさえ「私にはたぶん出来ない」と言わしめた齊藤弁護士である。
事件の概要は、2018年10月12日17時59分の朝日新聞の記事によると下記のようである。
以下引用
【1985年に熊本県松橋(まつばせ)町(現・宇城〈うき〉市)で男性(当時59)が殺害さ
れた「松橋事件」で殺人罪などに問われて懲役13年の有罪となり、受刑した宮田浩喜(こう
き)さん(85)の再審開始が確定した。
事件では宮田さんの将棋仲間だった男性が殺害された。連日警察に事情を聴かれた宮田さん
は遺体発見から12日後に犯行を認めて逮捕されたが、一審の公判中に否認に転じた。
86年の熊本地裁判決は、宮田さんを取り調べた警察官の証人尋問などを踏まえ、「シャツ
の左袖を破って小刀に巻き付けて首を刺し、布切れは風呂のたき口で燃やした」という自白の
信用性を認めて有罪とした。宮田さんは最高裁まで争ったが訴えは認められず、90年に懲役
13年が確定した。
一方、弁護側の請求で検察側が97年に開示した証拠から、「犯行後に燃やした」とされて
いたシャツの布が見つかり、弁護側はこれらを新証拠として12年に再審を請求。熊本地裁は
16年、自白について「体験に基づく供述ではないという合理的な疑いが生じる」と再審を認
め、福岡高裁も17年に「犯人とする理由の主要部分が相当に疑わしくなった」と支持してい
た。】
引用終わり
再審決定の知らせを聞いた時の宮田さん。
この番組の中で、特に気を引いたのが警察官の取り調べもそうであるが、検察も一緒になっ
て行っていた悪意の証拠隠しである。しかもそれらは被告人の証言の弁護につながる決定的
に重要なものである。
しかも弁護士に見られないように取り計らっていたのである。
ということは、その時点で警察も検察も被告人は犯人ではないことを知っていたということだ。
今回の情報公開要求時にはすでに事件から何年もの時間が経過しており、検察が入る建物の
新築のために引っ越しがあり、大量の荷物移動のため隠匿の証拠物品かどうかの区分が出来な
くなっていたらしい。弁護士に見られないように隠匿していた証拠品も一般の証拠物品と一緒
にされていて、運よくこの度の情報開示要求が通り、それによって偶然に見つかったものであ
った。
今から33年前のことではあるが、これは驚きである。
警察や検察はこんなこともするのか!
警察も検察も信用するに足らないのである。彼らの正義はどこに行ったのか。
詳細がのってます。↓
http://tamutamu2015.web.fc2.com/matubasejiken.htm
日本の警察は優秀だから、犯人検挙率が非常に高いと言われていた。
日本の検察は正義の味方であるとも。
あゝ、プロパガンダ・・・・・。
「美しい日本」と標榜する今日の裏面の真実を見た思いであった。