腰の痛み

 

腰の痛みはツライものである。

何とかしたいと思ってあれこれ調べはするが筋肉の構造から

説明しようとなるとかなり難しくなる。

 

例えば普段何気なく使ってる筋肉と言う言葉をきちんと理解し

ようと思ってウィキペディアから拾ってみると下記のようだ。

 

【筋肉】

筋肉は、神経からの刺激で収縮を行っている。

神経と筋肉は、神経筋接合部というシナプスの一種を介して

刺激の伝達を行っている。

 

神経末端からは、アセチルコリンが放出され、筋肉の側にあ

るアセチルコリン受容体に結合し、筋線維の細胞膜を脱分極

させる。

 

これがT管系を伝わって筋全体に広がり、T管系に接する筋小

胞体からカルシウムが放出される。このカルシウムをシグナ

ルとして、アクチン繊維とミオシン繊維の間の滑り運動が起

こるのである。

 

筋繊維は本来積極的に伸展する能力は無く、弛緩したときに

伸展するのは、骨格筋の場合、対立筋の働きによる外的な作

用による。

 

運動後の筋肉の疲労は、解糖系の最終生成物である乳酸によ

ってもたらされるとの説があるが、医学的根拠は無い。

 

【伸筋屈筋】

伸筋(しんきん、英語:protractor muscle)とは、主に腕や

脚などを伸ばす時に使用される筋肉の総称。

主に腕や脚を曲げる時に使用される屈筋と違い、鍛えても筋

繊維が肥大化しないとされる。 脚を曲げたような屈筋を使う

 

姿勢を保持する場合と普通に脚を伸ばして伸筋を使って立つ

場合とで疲労感を比べると明らかなように伸筋の持久力は屈筋-

より高い。

―以上wikより―

 

判らない単語がやたら出てきて、それらを一つ一つ調べて行っ

って理解しようとしたらキリがない。キリがつけば医者になって

しまう。

 

だから、何とかこれを乗り越えた経験を医学的な見地からの言葉を

抜きにして説明してみたい。

 

 

何故、自分は腰痛持ちなのだろうか。

 

こんなことをずっと考えてきた。

 

思い起こせば,高校生の頃、後に立ってる友人がいたずらにちょ

いとひざを曲げて自分の膝裏に押し当てると、自分はひざが簡単

に折れて転びそうになるのだった。

 

自分もまねてほかの友達にいたずらしてみたが、自分みたいに簡

単に膝を折るやつはいなかった。

 

それに極端にかけっこが遅かった。長距離はそうでもないが、短

距離走は駄目だった。

 

先天的に足腰や筋肉が弱いのかもしれない。

 

二十四歳で腰痛が起き、二十五歳で椎間板ヘルニアの診断を受け一

か月の入院生活を経験した。

今はそんな治療はしないだろうが、当時は主流だった腰にベルトを

巻き重しをつるして腰を引っ張る療法だ。一日中、寝てる時もそう

だから苦しいのなんの。

 

 

それからだから、腰痛とはかれこれ四十五年もの付き合いである。

 

いろいろなことを試して、よく起こしていたぎっくり腰がなくなり

ようやく強い腰痛からは解放された。

 

どうしてか。

 

若かりし頃は、鍛えれば良いのではないかと思ってやみくもにトレーニングをした。

貧乏だったから自己流の試行錯誤であったが。

充分なお金と時間をかけられれば違うが、人の能力は違う。

 

鍛えて素晴らしく発達するものもあればある程度で迄しか届かないものもある。

 

あることは他人には出来るかもしれないが、自分には出来ないも

のもあり、ましてや時間とお金にままならない身である。

 

そこをクリヤするにはどうすればよいか。

 

思いついたのは、普段の生活に目をつけることだった。

 

普段の生活でどんな筋肉の使い方をしているのか、少しずつ、意識

して観察することにした。

 

一日のうち長くすごすところはどこか、そこではどんな姿勢でいる

のか、つまりどんな筋肉を使っているのかを改めて見直した。

 

机に向かってるとき、車を運転しているとき、歩いているとき、走

ってるとき、力仕事のとき、大体こんなものだろう。

 

つまり座ってるときと、立ってるときだ。

 

力仕事はそれらの混合した姿勢で、たまにしかないからそれらの延

長上のことと考えてよい。

 

結局大事なことは、座ってる時と歩く時の姿勢だということだ。

 

これらは昔から言われていることで、誰しも聞いたことがあるに違

いない。

 

自分も時々姿勢が悪いとは言われもしたが、それは行儀が悪いもの

だとばかり思っていて、そのことが体に悪くて、それでその先どう

なるか説明されたことはなかった。

 

言葉だけの単なる知識だけではあまり役にたたないが、その言葉が

経験と結びついて生きた知恵となったなと思われるときは喜びの

瞬間でもある。

 

 

座ってるときや歩いているときに背中を意識して伸ばしてないと

所謂猫背になっている。

 

猫背ということは、背中の筋肉が引っ張られている状態で屈筋が使

わていないから背中に力がつかないということだ。

 

ずっと猫背で過ごしている自分は、腰椎周りの筋肉つまり広背筋や

胸腰筋が引っ張られてばかりいるので発達していない。

 

それが証拠に背中の方の腰回りには普通の健康な人に見られるよ

うな、腰椎を挟んだ二本の筋肉が見られない。

 

筋肉が太くなり発達するのは屈筋である。その屈筋がほとんど使わ

れていないのである。

 

横から見て背中がS字にさえなっていない。腰椎を防護してくれる

筋肉がないのだ。

 

これではないのか腰痛の原因は。

 

まず、自動車の運転のときの姿勢を見直す。

それまでの姿勢は、シートをなるべく後ろに下げてひざを伸ばし、

背中を後ろにゆっくり倒した姿勢だった。

 

今思えばだらしない格好の姿勢だが、周りの人達もこのような姿勢

が多かったから特別変だとも思わなかった。

 

それを見直して、背中がなるべくまっすぐ立つようにシートをうん

と前に出し、両の膝が開き過ぎないように直した。

 

歩くときは、腰椎を意識して広背筋や胸腰筋が収縮するようにして

前屈みにならないようにした。

それには頭の位置が非常に重要だとわかった。

 

あるバランスの時、腰に上体を乗せる感じになって楽に姿勢を保つ

ことができた。これが理想の歩く姿勢だと思った。

 

最初はすべて窮屈ですぐ疲れて、今まで痛くなかったところが痛み

出して、もしかしたら逆のことをしているのではないかと不安にな

ったりした。

 

ひと月もやってるうちに体が慣れてきて、それらの姿勢が苦痛でも

なくなってきた。そうして運転はこの姿勢の方が疲れず長く乗れる

ことが分かってきた。

 

歩く時の姿勢の矯正はもっと長くかかったが、疲れた時にはマッサ

ージも入れながら続けたら腰の曲げ伸ばしが楽になていることに

気が付いた。

 

うれしかったのが坐骨神経痛が楽になったことだ。

 

それまでずっと底苦しかったあの鈍痛がほぼ解消して、時々は疲れ

がたまって出ることがあるけれども、マッサージで簡単に消えてし

まうようになった。

 

それにどうにも気に入らなかった、泣きべそが心なしか直ってきて

ると思われるのだ。これは骨盤が正常な位置に戻ってきているため

ではないかと考えている

 

知らず知らずのうちに崩れてしまった姿勢というものが、特に筋肉

の弱い自分のような者にとっていかに体のみならず人生にダメー

ジを与えるか、そしてそれが一生を左右するほどの影響を持つこと

か、ほとんど痛みとの戦いの中で過ごしたといっても過言ではない

ことを振りかえればもっと早くに気付くべきだとは思うけれども

愚鈍の身には詮無いことである。