時折、行ってみたいと思っていた立川の国立昭和記念公園

なかなか機会に恵まれず、行けずじまいだった。

 

場所だけでも確かめたいと思っていた。

国土交通省がまだ建設省と名乗っていた時代に造成し

完成したものである。開園は昭和58年10月26日。

 

せめてあの有名なイチョウ並木の黄葉がが盛んなときに

行くべきだろうが、ワンコの散歩の行き場を思い悩んでいるうち、

立川の国立昭和記念公園が、ひょいと浮かんだ気まぐれだ。

 

なかなかチャンスに恵まれず、行けずじまいだった。

存在だけでも確かめたいとずっと思っていた。

 

 

ワンコをたまにはいつもと違うところに連れていっても

いいだろう。

 

いくらワンコとは言え同じところばかりなら飽きて

つまらないだろうという親心である。

 

 

ご存知のように昭和記念公園は、大正時代からの陸軍の

立川飛行場跡地で、敗戦後米軍が基地として使用してい

たものを返還という手続きを踏んで国立公園にしたもの

である。

 

車でカーナビ便りに小一時間だった。

飛行場跡というだけあって敷地は広大で

入り口だけでも、あけぼの口、昭島口、立川口

玉川上水口、西立川口、砂川口と6箇所ある。

 

たどり着いたのは立川口だ。

 

公園の専用駐車場を探したが、初めてで判らない。

ウロウロ迷うか、入り口より遠く離れたしまうよりまし

かと思い、立川口前で信号待ちしているとき眼についた

民間の駐車場に車を入れた。

 

料金は一日最大で700円とおもったより安価だ。

高尾山でも一日料金は1,500円である。

それくらいか、もっと高いかなと思ったのである。

 

 

立川口の看板があるところからからドッグラン

を左手に見て少し行くと右手に入園口がある。

入園料は 大人410円 子供80円 シルバー210円

シルバーは65歳以上。私はシルバーだった。

 

シルバーと区別されたのは初めての経験で一抹の

哀愁が走る。

 

とは言え、それよりも210円で済んだことのほう

が嬉しいケチな爺だった。

 

ワンコが一緒のため、迷惑をかけないことの簡単な

同意書求められた。まあ、形式的なものである。

 

 

今は12月の半ばで、快晴ではあるが風は冷たい。

 

 

ウィークデーの昼さがり、人影はまばらだ。

お年寄りと、乳幼児と母親、夫婦連れ、

あとは犬を連れた人たち。

この広大な公園には少なすぎて寂しい。

 

入り口を入るとすぐに、シャンパンタワーがあった。

噴水の池の中にもあったが、真昼のそれはなんの感動もない

ただのプラスチック細工の置物だった。劣化と汚れで白濁し

化粧を落とした夜の女を、昼に見たようだった。

 

木々の賑わいをすっかり落とした風景は殺風景であり虚しく

もあったが、冬の明るく強い日差しがそれを打ち消して

くれ気分は悪くない。

 

 

 

もう少し早い時期であれば、イチョウの葉が黄金色に輝く

ようだっただろう。

広葉樹も赤く、あるいは黄色く色づいていただっただろ

う。ざんねんだがそれは仕方がない。

 

はっきりした目的を持ってやってきたわけではない。

第一目的はワンコの散歩であり、国立公園の存在を確か

めるためだ。次来るときの下調べだ。

 

噴水池からカナールという沈床広場が200メートルほど伸び
ている西洋庭園風のたたずまいは圧巻だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それをすぎると

やがて橋が出てきた。

橋の下から高く伸びたシベリア松が大きな

松ぽっくりをたくさんつけているのを見た。

男の拳ほどの大きさである。木についているのは初めてみた。

 

 

 

 

更に奥に行く。

大きな沼があった。

調整池だろうか、以外にも水は澄んでいた。

 

 

 

鯉やカモいて、人が近づいても驚かない。

それどころか、自ら近寄ってくる。餌を求めているのだろう。

鴨はすぐ目の前でも逃げる様子はない。これにはこっちががびっくりだ。

野生であれば、鴨は絶対人に近づかない。

渡りかと思ったら餌付けされているんだ。

 

 

     

 

 

冬は14時を回ると夕方の気配を帯びてくる。

一日で全部回れるわけでもない。

ゆっくり引き返すことにした。

 

 

途中の広場の開放的なこと。

こんな広さを持つ公園は多くはないだろう。

 

 

全部見てあるくだけでも3日は掛かりそうである。

今度来る時の楽しみを残して帰路につく。